第3章
10月23日『昨日をもう一度』

現地時間の朝9時過ぎに飛行機は無事、ホノルル空港に到着した。日差しが強い。姪の夫君が開口一番、「光と空気が違うでしょ、何か花の香りがする」。そう言われれば、そんな気もする。

ビーチタワー3701号室よりワイキキビーチを望む。3両連結のバスに乗り、イミグレーションへ着くと入国審査は結構混んでいた。老人は優先されるようなことを聞いていたが、特にそんなこともなく、同姓の同行者と二人で係官と面談する。何故か、彼のグランドファザーということになったらしい。

審査が終わると、荷物を受け取る。この辺は姪夫婦に任せているので、ただ後から付いていくだけだ。空港から出ると、ツアー会社の人が待っていて、荷物を預けた。送迎バスに乗るまでしばらく待たされる間、ハワイ人のたくましい男性と美しい女性にはさまれて記念写真を撮った。

マイクロバスが到着し、まずはパンチポウルに行くがゲートが閉まっており今日は入場できないらしい。バスは、ヌアヌ・パリ、ダウンタウンのカメハメハ大王像などを観光しながら、アラモアナ、ウァードセンター裏のジャジャファッションズ(いまはもう閉店したらしい)、免税店(DFS)を経由し、現地ツアー会社の説明会会場に到着。ウエルカムランチを頂く。

ビーチタワー3701号室のラナイにて、ダイヤモンドヘッドを背に。お腹もふくれ、滞在中の注意などを聞かされていると、強烈に眠くなってきた。時刻は午後1時頃だが、日本時間に直すと、翌日の朝8時である。徹夜したのと同じだ。日付は1日戻るので、昨日をもう一度過ごすことになる。たった1日の若返り。しかし、疲れる。

説明会は午後2時すぎにようやく終わり、グループごとに宿泊先のホテルへ搬送され始めた。我々はまず、ハイアット・リージェンシー・ホテルのツアーカウンターへ連れて行かれた。ここからビーチタワーは直ぐなので、歩いていくという。「チェックイン可能なら、場所はわかるから、私たちだけで行きますよ」と姪の夫君がツアー会社の人に言った。

カラカウア通りを5人でぶらぶら歩いてビーチタワーに着いた。姪の夫君がカウンターでチェックインしてから、こう告げた「眺めのいい上層階に1泊150ドルでアップグレードしてくれるそうなので、せっかくのチャンスだからお願いしました」。追加料金がかかるのか。

ハワイ第一夜の晩餐。スパムむすびや茶そばが並ぶ。係の女性に案内された部屋は、3701号室。ペントハウスだそうだ。この階に上がるにはエレベーターも専用のキーが必要になる。部屋は途方もなく広い。製氷機つきの大型冷蔵庫、炊飯器のあるキッチン、洗濯機まである。これなら本当に暮らせそうだ。ラナイからは何にも邪魔されずワイキキビーチが一望できる。ダイヤモンドヘッド側なので、山容もよく見える。これはすごい。これがハワイだ、素直にそう思った。

姪夫婦もこれほどの施設とは思っていなかったらしく、同行者全員が感激に包まれた。「さあ、ワイキキを散歩しながら、食料の買出しに行きましょう」と言う姪の夫君は本当に住み込むつもりらしい。

日本の妻に国際電話をかける。ABCストアやウールワースなどをのぞき、もう土産物の当りをつける。てくてく歩いて暗くなってきた頃、「スーパーに行きますよ」と姪が言う。カラカウア通りの裏手、クヒオ通り沿いのフードパントリーに立ち寄り、食材や飲み物を仕入れた。おやおや、豆腐や納豆まである。日本の食材はたいていある。クアーズの缶ビールを1ダース8.99ドルで買う。なんと安い。しかし、このスーパーは冷房が効きすぎて寒い。

大きな袋をみんなでぶら下げてビーチタワーまで帰る。ハワイで暮らし始めたようで何とも楽しい。入り口の体格のよいガードマンに「ハロー」と呼びかけると、にこやかに返事してくれた。ハワイに来てよかった。

姪たちが手際よく用意してくれた和洋折衷の料理を頂きながら、日本で留守番してくれている連れ合いに電話する。6,200kmも離れているとは思えないほど明瞭な音声に驚く。いろいろ話したと思うが、通話料は14ドルだった。こうして、ハワイ1日目の夜が更ける。

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