第4章
10月24日『ホノルルを飛ぶ』

朝早く一人で散歩に出た。エントランスでガードマンに「グッモーニン」と挨拶すると、笑顔で「アロハ」と返してくる。ビーチタワーの前を走るカラカウア通りを渡ればワイキキビーチだ。ダイヤモンドヘッドの方向へ少し歩くと突堤がある。先のほうへ歩いていくと、水面下にたくさんの魚が泳いでいる。日本人かと思って声をかけたお年寄りは、韓国から来た方のようだった。

セスナからホノルル空港を望む。「朝食にしましょう」と姪の夫君が迎えに来てくれた。聞くと、部屋のラナイから、私のことをずっと見ていたそうだ。彼と一緒に歩いて帰りながら、ビーチタワーを振り仰ぐと、ラナイには米粒のような小ささで、姪が手を振っていた。ああ、ハワイに来てよかった。すべてが清々しく、生き返った感じがする。

さあ、今日は姪たちと別行動だ。私と同行者の二人はセスナに乗ることになっている。昨日、ウエルカムランチを兼ねた説明会でオプショナルツアーとして申し込んだのだ。一人110ドルでホノルル上空を遊覧してくれる。

ツアー会社のクルマでホノルル空港に着くと、日本語の上手なパイロットが待っていた。さっそくセスナに乗り込む。滑走路にはジャンボジェット機もあれば、隣島へ連絡する中型ジェット機、さらには軍用機もありで、飛行機のごった煮状態だ。

H-1上空で、ホノルル空港の全景を東側から望む。滑走路はラッシュ時刻らしく、大型機の離着陸がひっきりなしだ。その合間を縫って、小さなセスナがそろりそろりと進み、やがて一気に飛び立った。窓や扉をガタピシさせながら、セスナはぐんぐん上昇していく。あまりにも頼りない機体に、同行者は青ざめ声も出ない。そういえば彼は高所恐怖症で閉所恐怖症のはずだ。好きこのんでセスナになど同乗しなければいいものを、などと思っても後の祭りである。

セスナは空港からワイキキ方面をかすめ、地上からでは見られない景色をいろいろ見せてくれた。空の散歩をしばらく楽しんだあと、無事に地上に着陸した。ありがとうパイロット。しかし、同行者はだいぶこたえたらしく顔色が悪い。心配したパイロットは、オフィスに戻ると、ブランデー入りのコーヒーを振舞ってくれた。

セスナからパンチボウルの丘とダウンタウンを望む。昼過ぎに部屋に戻ると、別行動だった姪たちも戻ってきていた。ワイキキのウインドウ・ショッピングを楽しんできたようだ。軽い食事を済ませると、女性二人は変身メイクに出かけた。聞けば、女優のような派手なメイクをし、豪華なドレスを着て、記念写真を撮るのだそうだ。

残された男性三人は、もちろんビールである。気候もよく、昼間からビールがうまい。午後3時ごろ、男性二人は映画を見に行った。

豪華な部屋で、一人寛いでいると、電話が鳴った。フロントからで「部屋を下見したい人がいるので、少しの時間お邪魔してもいいか」とのことだ。

しばらくすると、係の人に案内されて、日本人の青年が訪れた。ハワイで結婚式を挙げ、両親と滞在するのに、この部屋を考えているのだそうだ。ご両親もきっと満足だろう。

彼らが去って、手持ち無沙汰になった私は、散歩に出かけることにした。近くをぶらぶら歩きながら、夕方になると、何処かからハワイアンが聞こえてきた。音の聞こえるほうへ歩いて、しばし、ハワイアンとフラダンスを立ち見した。

変身メイクを済ませ、すっかり化粧を落とした姪たちは、今日もフードパントリーへ買出しに行ったらしい。変身メイクで、どんな写真ができ上がるのやら。

今夜も部屋で、ミニパーティだ。えびギョーザやフライドチキン、水戸納豆やアロハ豆腐、フルーツ。ビールも1ダース追加され、ふんだんに飲める。ハワイ2日目の夜が更ける。

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